| | 「絶対に覗かないでくださいね」 「わかったよ、じゃが、だんだんやせ細っていくおまえさんが、不憫でのう」 「どうかお気になさいませぬよう」 「おまえさん・・・・・あんとき、わしが助けた鶴じゃろ?」 「お爺さん!いつからご存じだったのですか?も、もしや覗いて・・」 「覗いとりはせんよ、そのような趣味はもっとらん」 「趣味とかじゃなくて!」 「昔ばなしに似たようなのがあるんじゃ」 「昔ばなし?」 「鶴の恩返し、という話なんじゃが、わなにかかったのを助けてもらった御礼に、鶴が自分の羽根で反物を織ったという話じゃ」 「そんな話が?」 「ダメじゃ言われておるのに、隣の部屋をのぞき見したばかりに、鶴は反物を織るのをやめて、大空へ飛び立っていってしまったんじゃ」 「途中で飽きちゃったのね」 「なんでそうなるんじゃー、純白の羽根で織られた反物は、それはそれは見事な出来で、高値でお城のお姫様に買われていったそうな」 「・・・・・・」 「なあに、気にせんでええよ」 「・・・・・・」 「そんなつもりで話たんじゃねぇよ、少々柄が入っていたって、そんなもん、気にせんでええ」 「くしゅん・・・・・」 「泣かなくてもええって、これくらいなら、臭いも気になりゃせんって」 「えーーーん」 「泣くな!鶴だって、肥溜めに落ちることだってあるさ」
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