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65.それも無かったら?
投稿者/小丸...........投稿日/2009/09/20 17:42
 「んもう!なんで途中でやめんのよ!もうちょっとイキそうだったのに!」
「今回、おれは自民から鞍替えしたんだ」
「なに言ってるの!いま政治の話をしている場合じゃないでしょ!」
「なにも突き進むばかりが男じゃない、能ある男は途中でやめる勇気をもってだな・・」
「なによ!体力だけが取り柄なくせして」

[返信]


64.3でもいいけど
投稿者/小丸...........投稿日/2009/09/15 15:55
 「おっ、ペンダント、おれに?もしかしていま流行のプレゼント?」
「そう、いつも肌に身につけていてほしいの」
「これって、2?かい?」
「そうよ数字のね」
「へへへ、どんな意味があるんだろうなぁ」
「だってあなた、1回じゃ物足りないんだもん」


[返信]


63.あなたはいいの
投稿者/小丸...........投稿日/2009/05/19 13:30
 「おまえ、なんか変じゃないか?」
「そぉお?」
「だってさぁ、上も下もなにもつけてないのに、口元だけって」
「そぉお?」
「ま、いいか、それもマニアックでさ、さ、久しぶりにお願いするとしようか」
「あらやだ、お願いする、なんて」
「この大事な息子を、まずは立派にさせないとな」
「ごめん、マスクはとれないわ」

[返信]


62.浮気熱
投稿者/小丸...........投稿日/2009/05/17 12:43
 「どうしたの?ボーっとして、熱でもあるんじゃないの?」
「ああ、少しな」
「この時期の出張は危険だって、あれほど言ったのに」
「社命だから仕方ないだろ」
「どうしましょ、わたしにもうつるかしら」
「おまえが?どうして?」
「だって、新型は感染しやすいんでしょ」
「恋に新型なんてあるのか?」
「・・・・」

[返信]


61.自社製品
投稿者/小丸...........投稿日/2009/02/16 13:36
 「ごくろうさま、それではお会計、10万円になります」
「なんだ?それ」
「そうねぇ、長い付き合いだし、1万円にまけといてあげる」
「1万?もしかして・・・いまの、その・・・これが?」
「ええ、自家製品利用は時代の流れょ」

[返信]


60.カロリーは浪費しそう
投稿者/小丸...........投稿日/2009/01/28 17:11
 「このところずいぶん帰りが早いのね」
「全社残業カット、光熱費もバカにならないからな、経費削減ってやつさ」
「ふーん、だったら」
「だったら?」
「うちも削減しなくちゃ」
「どう削減するんだよ」
「決まってるでしょ、はやく ね・る・の・よ」

[返信]


59.介添えが必要とでも?
投稿者/小丸...........投稿日/2009/01/24 15:57
 「コンカツって知ってる?」
「もちろん、昼食ったぞ」
「それはトンカツでしょ?」
「ああ、ちょっと肉が硬かったかな」
「そうじゃなくて!コ・ン・カ・ツ」
「なんだそりゃ?」
「シュウカツは就職活動の略でしょ、コンカツは結婚、最近女性がね、結婚相手を見つけるために、いろいろ見合いとかをしてるんですって」
「なるほどねぇ、時代も変わったなぁ、キャリアウーマンはどうした?」
「あれは古いの!」
「古いって、そうそう男にばかり頼られてもなぁ、女も一人立ちしてさ」
「女はねぇ、ひとり立ちはしないの、男と違うのよ」
「オイオイ、それじゃオレはどうなる」

[返信]


58.なにが目当てなのさ?
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/16 15:35
 「一緒になるならダルちゃんみたいな男性がいいわ」
「確かにイケメンだよな、でも恋愛と結婚は別だろ」
「結婚もよ」
「そうかなぁ、すれ違いが多くて大変だぜ、すぐに離婚なんてこともあるんじゃないのか」
「離婚するにしてもよ」

[返信]


57.熟れすぎ
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/10 10:55
 「マンションが売れてないらしいわ」
「先行き不安だからな」
「自動車も」
「この状況じゃな」
「地デジ対応のテレビもでしょ」
「どうせ先延ばしするんじゃないか、みんな売れるまで時間がかかるぞ」
「でも・・・あたしは、う・れ・て・る・わよ」

[返信]


56.せめて二つ目ぐらいは
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/09 10:32
 「ねぇねぇあなた、真打ってなに?」
「真打ってのはな、最後にピシっと場を仕切れるやつのことを言うんだ、昔な、昔っても電燈のない江戸時代、話し終わって最後のロウソクの火を消すことからロウソクの芯を打つ、ってとこから、どうやらきたらしいな」
「長い」
「長い?」
「説明長い!二つ目は?」
「選挙なんかで当選すると目が描かれていない片方に墨を入れるだろ、やっとそこまでなれましたよ、ってことで二つ目だ」
「まだ長い!」
「前座」
「前座ってのは、いわば修行中で給料なしだ」
「見習い」
「そこまでいかないやつ」
「つまりあなたね」

[返信]


55.まだ日にちは残ってる
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/06 11:56
 「ことしは頑張るって言ったのに、ねぇあなた、もう年末よ」
「12月だって今年に違いないだろ?」
「んもう!総理みたいなこと言わないで!」
「おっ!ちゃんと新聞読んでるな」
「ええ、ついでにあなたの、その見え見えの魂胆もね」

[返信]


54.さらにさらに意味不明
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/04 11:28
 「1,000人も切るんですって」
「1,000人!」
「ひどいことするわよね」
「うーん、ひどいというより、よくそんな体力が・・・」
「あなた!なに考えてるの!リストラよ!」
「リ、リストラだろ、そ、そうだな、そ、それはひどいな」
「あなたは一人も満足に切れないのにね」

[返信]


53.さらに意味不明(失礼しました)
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/03 11:25
 「なに!おれのどこがって、そう言いたいのね」
「い、いや」
「いいのよ、夫婦なんだから、歯に衣を着せなくても、ストレートでいいの、ストレートで」
「あ、ああ、わかってる、おまえは先月上がったんだよな」

[返信]


52.意味不明
投稿者/小丸...........投稿日/2008/12/03 11:18
 「あなたどうしたの?顔が青白いわ」
「また下がったんだ、老後の資金にと考えていたのに」
「そうなの、また下がったのぉ」
「ああ、ちくしょう!上がったかと喜んでるとすぐに下がるんだ」
「本当、あなたらしいわ」
「・・・・」
「なに!おれのどこが

[返信]


51.女ごころ
投稿者/小丸...........投稿日/2008/08/26 15:17
 「あら、やだわ、あたしったら」
「どうした?」
「ブラジャーつけるの忘れてたわ」
「いいじゃないか、どうせたいしたことないんだし」
「ばかねぇ、だから着けるんじゃないの」

[返信]


50.記録が出るたびに言われそう
投稿者/小丸...........投稿日/2008/08/18 17:18
 「この選手、196センチもあるんですって、凄いわぁ」
「ものが違うって感じだな」
「なに言ってるのよ、あなたも同じよ」
「えへ、そうかぁ、オレもあんなに逞しいってか」
「あっという間に駆け抜けるってことよ」

[返信]


49.記録更新
投稿者/小丸...........投稿日/2008/08/13 17:24
 「違うでしょ!もう少し伸び上がるように」
「こうかぁ?」
「違うわ!ほら、テレビをちゃんと見てよ!」
「うーん、難しいなぁ、こうかぁ?」
「違うじゃない!ほら、良く見なさいよ、世界一の泳ぎをさ」
「うーん、ゆったりと大きく、下から上に伸び上がるようにかぁ、・・・こうかぁ?」
「んもう!同じ日本人なんだから、できるでしょ!もっとぐぐっと」
「こうかぁぁぁぁ・・・・」
「・・・早いのだけは一緒ね」

[返信]


48.意味わかんない
投稿者/小丸...........投稿日/2008/08/04 18:22
 「このマンションどうかしら」
「二人だけなんだから、そんなに広くなくていいだろ」
「それにほら、寝室もこんなに広くて、大きなベッドも入れられるわ」
「二人だけなんだから、そんなに大きくなくていいだろ」
「思いっきり手足を伸ばして眠れるじゃない」
「それはおまえの趣味と違うだろ」

[返信]


47.イッてみたい、ってか
投稿者/小丸...........投稿日/2008/06/20 16:54
 「クックックッ、おれが死刑執行人だとよ」
「ふーん、あなたがねぇ」
「ここんところ、何人もあちらの世界へ送り込んでやったからかなぁ」
「へーっ、あなたがねぇ」
「なんだい、えらくそっけないじゃないか、久しぶりにこうやって、二人っきりになれたっていうのによ」
「はーっ、あなたがねぇ」
「わかったよ!今夜は先に寝ないで、最後までがんばりゃいいんだろ!」

[返信]


46.ちらちら、と
投稿者/小丸...........投稿日/2008/06/12 19:06
 「オマエさぁ、まえから水泳に興味あったっけ?」
「ねぇ、ねぇ、凄いわよこの平泳ぎの選手、それに、けっこうイケメンだし」
「なーんだ、まだ一次予選じゃないか、記録も平凡だしよ」
「ちょっとちょっと、隣の選手も凄くない?興奮して今晩眠れそうもないわ」
「こんなにぼかしが入っているのに、よくわかるなぁ、オマエ」

[返信]


45.偽装
投稿者/そこは...........投稿日/2008/05/29 15:18
 「お見合いって?」
「そうなのよ、姪のキッちゃんがね」
「確か、吉の字の下が長かったよな」
「よく覚えているわねあなた、あの娘がお見合いするんですって」
「これまでさんざん遊んでたようだし、相手も大変だな」
「まっ!失礼ね!人を使いまわしみたいに言って!どうせ言うならせめて手づかずと・・・やっぱ無理よね」

[返信]


44.公序良俗に触れないようにね
投稿者/小丸...........投稿日/2008/03/17 17:52
 「そろそろ咲きそうだな」
「ええ、もうすぐね」
「どうだい、ことしこそ花見で一発?」
「あら、やだ、それも言うなら花見でいっぱい、でしょ」
「そんなには出来ないさ、一発で十分」

[返信]


43.今風つなぎとめ方
投稿者/小丸...........投稿日/2008/01/30 15:34
 「別れないでくれよ、頼むよ」
「あなた定職ないし、将来が不安だもの」
「そう言うなよ、これでも一生懸命仕事してるんだからさぁ」
「ハケンでしょ」
「そのうち正社員になるって」
「わかったわ、それじゃ暫定ということで」

[返信]


42.今年は上向きで
投稿者/小丸...........投稿日/2008/01/18 15:11
 「去年は偽装の年だったなぁ」
「そんなこと、胸を見ないで言ってちょうだい!」
「ことしはどんな年になるんだろう」
「そうねぇ、年明けから縮小する一方だものね」
「そんなこと、まじまじと見ながら言うな!」

[返信]


41.救い ようがありません
投稿者/小丸...........投稿日/2007/12/22 12:02
 「今夜はクリスマスイブねぇ」
「ばかだなぁ、クリスマス、イブイブだ、どうだ言えるか?」
「ま、いやらしい、ブイブイ言わす、だなんて」
「おまえこそ、クリスマスは教会に行きましょう、なんて言っておきながら」
「ばかねぇ、クリスマスはチャペルで、と言ったのよ」

[返信]


40.寝室の窓もね
投稿者/小丸...........投稿日/2007/12/18 17:30
 「あなた、そこの窓だけピカピカに磨いても無駄よ」
「窓拭きぐらい手伝わないとな」
「お向かいさんの風呂場の窓も磨かせてもらいなさい」
「・・・・」

[返信]


39.年末煙突掃除
投稿者/言いたくない...........投稿日/2007/12/16 12:03
 「ねぇ〜、あなた〜」
「なっ、なんだよ」
「もうすぐ年が明けるわよ」
「だっ、だから、な、なんなんだよ」
「忘れたの?ことしは頑張るって、初詣のときあなた言ったわよね」
「あっ、あ、今夜は、そのう、ちょっと」
「約束よ」
「あ、ああ、まだ、大晦日までには日にちもあるし・・」
「ん、もう!この役立たず!」


[返信]


38.理由あり、で
投稿者/小丸...........投稿日/2007/10/31 10:33
 「年数ヶ月も私を一人にして、うちを留守にするんですもの」
「仕方がないだろ、それが仕事なんだから」
「東京にいる間だってそうよ」
「仕方がないだろ、取組みがあるんだから」
「だったら、いつ帰ってくるのよ!」
「そういうオマエだって、いつも家を留守にしているじゃないか」
「あなたといっしょにしないで!取組みがないときぐらいは家にいるわ」

[返信]


37.満足できない
投稿者/小丸...........投稿日/2007/10/12 10:09
 「ぼくが力士を辞めたのが原因かい?」
「そうねぇ」
「それとも見かけほどチャンコ屋がうまくいっていないから?」
「そうねぇ」
「ズバリ浮気が原因なの?」
「そうねぇ」
「オイオイ、はっきり言ったらどうなんだ!男としての器が小さいとでも?」
「本当ねぇ、図体は大きいくせに、意外なほど小さいんだもの」

[返信]


36.お大事に
投稿者/小丸...........投稿日/2007/09/20 11:05
 「あなたは大丈夫なの?」
「当たり前だろ!もともと仮病なんだから」
「でもなかなか退院できそうにないわねぇ」
「なーに、次が決まるまでの辛抱さ」
「あたし寂しいわ」
「ああボクもさ、キミと夜を共にできなくて寂しいよ」
「色白のナースなんかと、しちゃダメよ」
「キミこそ、色黒のナスでなんかと・・」
 ボコッ!

[返信]


35.祝200本
投稿者/小丸...........投稿日/2007/09/04 11:02
 「打席に入るまえの、あの柔軟体操が大記録の秘訣ですか?」
「ええ、ケガをしないことが一番大事ですから」
「私生活でも?」
「もちろん、ベッドに入るまえにも、柔軟体操で体をやわらかくしています」
「あそこも?」
「当然です」
「遠征先でもですか?」
「それが・・・たまにヤケドをしています」

[返信]


34.せめてワンラウンド
投稿者/小丸...........投稿日/2007/09/03 17:54
 「この鋼のような分厚い胸と、この太い腕に抱かれたいんだろ」
「まあ、いやらしい」
「ベットの上で、身動きが出来ないように押さえ込んでやる」
「まあ、いやらしい」
「カウントスリーでホールされたいんだよな」
「バシッ!それじゃ短か過ぎるわ!」

[返信]


33.ほどよいマッチョが好きなの
投稿者/小丸...........投稿日/2007/08/29 15:26
 「短い間でしたけど、楽しかったわ」
「また、戻ってみえるおつもりで?」
「もちろんよ、アイ シャル リターン、逞しい男がこんなにいっぱいいるんですもの」
「なるほど、それであの人が嫌いだったんですね?」
「あんなデブ、防衛省の恥だわ」

[返信]


31.マン・・・言えねぇ言えねぇ
投稿者/小丸...........投稿日/2007/05/11 16:39
 「ねぇえ、完熟マンゴーを味わった感想はどう?」
「そうだな、オレは完熟前の方が好み、かな」
「なのよ!若けりゃいいの!味もそっけも無くってよ!」
「いや、完熟もいいが、おまえのは形がよくない」

[返信]


30.うーん、ポチのスケベ
投稿者/小丸...........投稿日/2007/04/13 16:35
 「あんなにひとが見てるじゃありませんか」
「なーに、見られたってどうってことないさ」
「あなたはそうでしょうけど、わたしは・・恥ずかしいわ」
「満開の桜の下でやるのって、サイコーの気分じゃないか」
「ちゃんと、あ・と・し・ま・つ、してくださいね」
「ああ、わかってるよ」
「じゃあ・・わたしはあって向きで」
「・・・・・・・・・」
「それにしても、連れションだなんて、へんなひと」
「ひとじゃねぇよ、オレたち、犬だ」


[返信]


29.「少年」はいるけどね
投稿者/小丸...........投稿日/2007/02/22 11:04
 「そうワンワン吠えなさんな」
「ワンワン」
「今度は確かじゃろうな?」
「ワン」
「本当かのう、おまえのおかげで、ポチ見て見ろ、このサクラのまわりは穴だらけじゃ」
「ワンワン」
「はいはい、わかったよ、掘ればいいんじゃろ、掘れば」

「ほーら、やっぱり小判なんか埋まっとらんかったじゃないか」
「ウォ〜ン」
「てめー、オオカミか!」

[返信]


28.微妙な恩返し
投稿者/小丸...........投稿日/2007/01/25 14:14
 「絶対に覗かないでくださいね」
「わかったよ、じゃが、だんだんやせ細っていくおまえさんが、不憫でのう」
「どうかお気になさいませぬよう」
「おまえさん・・・・・あんとき、わしが助けた鶴じゃろ?」
「お爺さん!いつからご存じだったのですか?も、もしや覗いて・・」
「覗いとりはせんよ、そのような趣味はもっとらん」
「趣味とかじゃなくて!」
「昔ばなしに似たようなのがあるんじゃ」
「昔ばなし?」
「鶴の恩返し、という話なんじゃが、わなにかかったのを助けてもらった御礼に、鶴が自分の羽根で反物を織ったという話じゃ」
「そんな話が?」
「ダメじゃ言われておるのに、隣の部屋をのぞき見したばかりに、鶴は反物を織るのをやめて、大空へ飛び立っていってしまったんじゃ」
「途中で飽きちゃったのね」
「なんでそうなるんじゃー、純白の羽根で織られた反物は、それはそれは見事な出来で、高値でお城のお姫様に買われていったそうな」
「・・・・・・」
「なあに、気にせんでええよ」
「・・・・・・」
「そんなつもりで話たんじゃねぇよ、少々柄が入っていたって、そんなもん、気にせんでええ」
「くしゅん・・・・・」
「泣かなくてもええって、これくらいなら、臭いも気になりゃせんって」
「えーーーん」
「泣くな!鶴だって、肥溜めに落ちることだってあるさ」



[返信]


27.そんな問題じゃなくって!
投稿者/小丸...........投稿日/2007/01/24 17:13
 「ミラー、フーイズア モーストビューティフル ウーマン インザワールド?」
「・・・・・」
「フー イズア モーストビューティフル ウーマン インザワールド?」
「・・・・・」
「ミラー!フー イズア モースト ビューティフル!」
「・・・・・」
「ミラー!」
「・・・・・」
「これだからメイドインジャパンは嫌いよ」

[返信]


26.ブラック絵本3
投稿者/小丸...........投稿日/2007/01/18 13:22
 「おまえが落としたのは、この金の斧かい?それともこっちの、銀の斧?」
「あれ?ぬしさん、生きてたの?」
「なんだ、またおまえか」
「よかった」
「主を試し切りするやつがあるか!」
「ごめんなさい、でも、なんでも切れるって言ったから」
「さっきおまえが池に落としたのはなんだ?」
「落としたんじゃないよ、主さんからもらったダイヤの斧を返したの」
「そうか、なんと欲のない若者よのう、欲のない若者にはこの金の斧を・・」
「いらない」
「だったら、こっちの銀の斧を・・」
「そっちもいらない」
「ならば、なんでもは切れないけど、このダイヤの斧を・・」
「いらないよ、それより、鉄の斧を探してよ」
「てっ、鉄?そ、それが見当たらないんじゃよ、おまえ本当に落としたのか?
「ああ、そうだよ、そこにあるじゃない」
「そこ?」
「主さんの頭に突き刺さっている」

[返信]


25.ブラック絵本 2
投稿者/小丸...........投稿日/2007/01/10 10:52
 「先だっては助けていただきありがとうございました」
「おまえさんは?」
「この先の砂浜で、こどもたちにいじめられておりました、あのときの」
「ああ、あのときの?」
「ええ、あのときのカメです」
「そうかい、すっかり元気になったようだな」
「おかげさまで、お助けいただいたのに、お名前もお聞きせずに」
「オレ?オレ浦島村の太郎、太郎って呼んでくれ」
「太郎さん、いい名前で」
「弟は次郎、妹はもも、ちなみに親父は喜助、かあちゃんはうめ、って言うんだ」
「別にそこまでは・・・」
「で、なにか用かい?」
「ええ、助けていただいた御礼に竜宮城へお連れしようと思いまして」
「竜宮?」
「ええ、あの海の先にあるそれは絢爛豪華な宮殿で、美人の姫たちが勢揃いしておりまして、鯛やひらめの活きづくりをご馳走しようと」
「招待してくれるの?でも、どうやって行くんだい?」
「わたくしの背中に乗ってくださいな」
「おまえさんがオレを乗せて?」
「ささ」
「この、甲羅にまたがるの?これでいいかい?」
「ええ、しっかりと甲羅の付け根、すこし出っ張ったところ、そこです、そこを握っててくださいな、決して離さないようにしてくださいね」
「ほー、スイスイと海の上をまるで飛ぶようだね、もうあんなに浜が遠くだよ」
「さ、このへんでいいだろう」
「おい、おい、このへんって、ただの海じゃないか、竜宮のある島はどこなんだい?」
「竜宮?」
「さっき竜宮に連れていくって、鯛やひらめの活きづくりって」
「おーい、ごはんだよ〜」
「わーっ!なんだい!なんだい!この黒い群は〜」
「・・・・・・・」
「たすっ・・・・」
「・・・・・・・」
「けっ・・・ーーーーー」
「自分が活きづくりになってやがるよ、子供の方がよほど賢いやね」



[返信]


24.ブラック絵本 
投稿者/小丸...........投稿日/2007/01/09 14:36
 「おまえが落としたのは、この金の斧かい?それとも、こっちの銀の斧?」
「いいや、おいらが落としたのは鉄でできた、普通の斧だよ」
「ホホー、なんと正直な若者よのう、正直者のおまえに、この金の斧をやろう」
「おじさん、この沼の何?」
「主と呼ばれておる」
「ぬし?だったら主さん、おいらの鉄の斧を探してよ」
「探して?探してったって、いきなり、そ、そんなこと言われても・・」
「金の斧なんかもらっても、木を切り倒せないし」
「なんと欲のない若者よ、欲のないおまえにはこっちの、銀の斧もやろう」
「あんたねぇ、人の言うこと聞いてる?銀の斧をもらっても、しょうがないでしょ!おいらは木こりなんだから!」
「ホホー、金の斧も銀の斧もいらんというのか、気に入った、ならばその二つに加えて、わしが大切にしておるダイヤの斧をおまえにやろう、ダイヤは固いぞ、どんなものだって切り倒せる」
「本当?」
「ああ、主はウソは言わん」
「試してもいい?」
「もちろんいいとも、ほら」
「ならば!どりゃーっ!」
「・・・・・・」
「本当だ!主を切っちゃったよ」

[返信]


23.「桃屋の逆襲」おまけ
投稿者/小丸...........投稿日/2007/01/05 17:17
 「社長、いかがなされました?新年早々暗い顔をなさって」
「うーん、そろそろ新製品を出さねばなぁと、思案しとったんじゃ」
「お考えがあるんですね?」
「そういうわけでもないが、将来を考えると震えが止まらんのだよ」
「なーんだ、悪寒があったんですか」
「きみねぇ、もっとまともなシャレを言ったらどうなんだ」
「お言葉ですが、これまでの商品名が商品名ですから」
「そこなんだよ、どうも最近ヒット作がなくてな」
「実は社長、私にいい考えがございまして」
「いいよ」
「そうおっしゃらずに」
「遠慮するよ」
「商品名だけでも」
「面倒臭いなぁ、聞いてやるから言ってごらん」
「桃屋のモモちゃん」
「なに?それ」
「桃のつくだ煮、というかジャムですな」
「ただの桃ジャムだろ?」
「違いますよ、いまやヨーグルトブームでしょ、プレーンヨーグルトに合う本格的ジャムの開発です!」
「そうか!いよいよ我が社も朝食に進出するのか」
「ええ、朝のイメージへ脱却するんです!」
「さわやかな朝の日差しのイメージだな」
「ええ!桃屋のモモちゃん!」
「・・・なぜか夜のネオンのイメージがするんだが・・」
「社長、ああた、ごろにぁの見過ぎです!」

[返信]


22.みなさんの懐もそうなることを願って(最終回)
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/28 13:25
 投稿日/2006/12/28 12:18

  「桃屋とつけたいところなんじゃが・・・」
「ダメなんですか?みんな期待してますよ」
「佃島に海苔のつくだ煮を売っている店があってな、そこが桃屋っていうんじゃよ」
「この際無視するっていうのは?」
「そうもいくま」
「だったら、こんなのはどうです?」
「なになに、ほーっ!それはいいな」
「でしょでしょ、あの桃にピッタリじゃないですか」
「商売繁盛、縁起のいい名前じゃ、さすがぼちじゃな」
「ポチ!」



さて、問題です。爺さんがつけた店の名はなんでしょうか?
ヒント  商売繁盛
ヒント  あの桃




答え                       『鈴なり屋』 でした。
                        オチがなくてすみません。  

[返信]


21..『うめぇ屋』でもよかったんだけど、の巻(最終回)
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/28 13:24
 投稿日/2006/12/28 11:42


  「今年はいろんなことがあって」
「もう何年も前のことのようじゃ」
「知り合った頃のお爺さん、あんなに色男だったんですねぇ」
「そういう婆さんも・・・・・・」

「ワン」
「婆さん、なにか聞こえなかったか?」
「いいえ、なにも」
「そうかぁ、空耳か」

「ワンワン!!」
「婆さん、ほらっ、なにか聞こえなかったか?」
「いいえ、なにも」
「そうかぁ、やはり空耳か」

「ワンワン、キャイーン、ウー、ワワワン!!!」
「婆さん、ほらっ」
「いいえ、なにも」

「ちょっと!あんたら、いい加減にせえよ!」
「あらっ、こんなところにイヌが」
「こんなところにじゃないでしょ!もうずいぶん一緒にいるのに」
「すまんすまん、イヌの鳴き声なんか出すもんだから」
「桃さんも桃さんなら、親も親だよ、あたしはイヌなの!イヌ語をしゃべるのが普通でしょがっ!」
「そう怒るな、ぼち」
「ポチ!」
「どうした?」
「二人の話を聞いていると、いまにもあの世へ行きそうな雰囲気だったんでね、もう一勝負するんでしょ?」
「勝負?」
「ええ、畑を買うとか、店を開くとか、言ってたじゃないですか」
「ああ、おまえさんが持ってきてくれた、あの大金でな」
「でしょ、あの話はどうなったんです?」
「畑なら買ったよ」
「それで?」
「苗も植えた」
「苗?」
「桃じゃ」
「まさか、あの若返りの桃ですか?」
「たくさんタネがとれたんで、庭に埋めておいたら、芽が出てな、あんなに甘い桃なら、きっと高く売れるだろうと思ってな」
「やるときゃやるねぇ」
「だろ」
「でも、畑を買うほど育てて、そんなに売れるんですか?」
「売れ残ったのは、釜で煮詰めて、桃のつくだ煮にして売り出すんだ」
「なるほど、考えましたね」
「そこにあるのが、新しく買った釜じゃ」
「これですか?、五右衛門風呂かと思いましたよ」
「桃太郎が帰ってきたら、商売をやらせるつもりじゃ」
「へーっ、ちゃんと考えてたんですね、ももちゃんのことだけじゃなくて」
「シッ!ももちゃんは婆さんに内緒じゃ」
「呼びましたか?」
「ワン」

「それで、店の名前は考えたんですか?」

[返信]


20.婆さん決心する、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/28 02:20
 投稿日/2006/12/27 12:25

「信じられないかも知れないけど、ひと月前に、あんたがナンパした、おねえちゃんだよ」
「う、うそだろー!」
「うそじゃないよ、乳首の下にほくろが二つあるって、教えてくれたじゃないか」
「ひしモチみたいなのが胸にのっかっているけど、これがおっぱい?そう、ペラペラしてるよ、これを持ち上げると・・・ほ、本当だ!」
「ねっ」
「ねじゃないよ!婆さん、いや、ねえちゃん、どうしちゃったのさ?」
「実は・・・・これこれしかじか」
「ほー、そんなことがあったのか」
「それで・・・これこれしかじか」
「うーん、そりゃ、無理もないな」
「んで調子に乗って・・・・・これこれしかじか」
「なるほどなぁ、どうりで熟練の味わいだったわけか、わかった、でも、もう心配いらねぇよ」

って、なんのことだが読んでる方にはわからないよ!

「なーに、お互い、いい夢見させてもらったと思えばいいさ、さ、こんなに採ってきたんだ、たくさん食べて、また出会った頃のねえちゃんに戻ってよ、オレなんかよりずっといい男を探しな、べっぴんさん、だからな」
「・・・・・」
「どうした?首を横になんか振って・・」
「・・・・・」
「発作か?」
「いいよ」
「いい?」
「あたしも、爺さんも夢を見たんだ、いい夢だった、でも、夢はいつか覚めるもんさ」
「いきなりお寺の和尚さんみたいになって、どうしたのさ?」
「お兄さん、騙して悪かったねぇ」
「気にするな、もしかしたら、あの楽園のような畑だって、本当は夢だったのかも知れないしな」

「ところでねえちゃん、いや、お婆さん、これからどうするんだ?」
「幸い、爺さんのところへ戻るだけの体力はありそうだし」
「そうかい、村はずれまで送って行ってやるよ」
「うぇーん」
「泣くなよ、あんまり泣くと水分がなくなるぞ」
「オシッコちびった」
「汚ねぇーな」


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19.いま帰ったぜ、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/26 12:09
 投稿日/2006/12/26 10:36

「冗談が過ぎるぜ、まだ外は明るいっていうのによ、はは〜ん、オレ様の帰ってくるのが見えたんだな、それで」
「・・・・・」
「そんな布団を頭からかぶってタヌキ寝入りしなくても・・・、わかったよ、寂しかったんだな、オレもだ、先に汗を流したいところだが、どうせ汗だくになるんだ、かまやしねぇ、それじゃあ、ちょいと足下から失礼するぜ」
「う、うーん・・・・・」
「ね、ねえちゃん、おまえさん、こんない足が細かったかい?棒みてぇだな、なんか手触りもざらざらしてるし・・」
「う、うーん・・・・・」
「モゾモゾ・・・ねえちゃん、ケツ、小さくなったんじゃねえか?こんなもんだったかなぁ、ちょいと上にいって、モチのようなおっぱいを・・・・・・ない!、ねえちゃんどこやった?」
「や、やめておくれよ〜、こそばゆいじゃないか」
「こそばゆい?も、もちはー?」

布団から抜け出し、お婆さんを正面に向き直させた男は、腰を抜かさんばかりに驚きました。
「遅かったじゃないか〜」
「お、おおおおお、おまえさん、いったい、だっ、誰だい!!」

[返信]


18.お兄ちゃん家路を急ぐ、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 23:36
 投稿日/2006/12/25 14:19

「ほーこりゃまた、でかいなぁ、よく見るといろんなところに生えてるぜ、鈴なりってやつだな」

「う、うめぇー!こんな甘い桃、初めて口にしたぜ、うめぇーうめぇー!」

男は夢中になって桃をむさぼりました。そのころ・・・・

「だれか私の名前を呼んだ?」

「あらっ、いやだ、空耳だわ、歳とった証拠かしらねぇ、それにしても何やってるんだろう、もうひと月近くになるよ、そういや最近水をはじかなくなったしねぇ」

若い肌は身体の油分が皮膚を覆うため、水が玉となってはじきます。桃を口にするまえのお婆さんの皮膚は、吸い取り紙のようだったんですから、それを考えるといまの状態はそんなに悪くないと思うのですが、人間てのはどこまでも欲深いようでして、一度娘の身体を手に入れたら、それがなくなるのは耐えられないようでして
「な、なにやってんだい、まったく!は、はやく桃をもってくるんだよー!」

聞こえないのはわかっていても、そう叫ばざるをえないウメさんでありました。あー恐ろし!


「いけねぇ、あんまり居心地がいいもんだから、長居しちまったぜ、早く持って帰って、ねえちゃんとがんばらなくちゃな、う、うふふ、なんだか力が湧いてきたぞ」

桃に強壮作用があるかどうかはわかりませんが、お爺さんといい、漁師のお兄ちゃんといい、あちらの方のやる気満々になったのはマチガイナイ!(これが最後ね)

「これだけあれば十分だろ、次来るときのために、こうやって石を積んでと」

男はお爺さんがやったと同じように、帰り路の所々に目印を置きながら、若いのに熟練の味わいを持つおねえちゃんの待つ村へ、すっ飛んで帰って行きました。

「ねえちゃーん!待たせたなー!いま帰ったぜー!さっとく一発、おーい」
「・・・・」
「ねぇ、ねえちゃん?」

[返信]


17.男が見たものは、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 23:36
 投稿日/2006/12/22 10:22

大きな揺れの後にその姿を現した洞穴、漁師のお兄ちゃんは恐る恐る、身をねじ込んでいきました。

「ジメジメしていてあんまり居心地がいいとは言えないな、うえっ!ミミズかよ、うじゃうじゃと、まるで・・・ピー・・・・ピー・・・ピー・・・」(禁止用語連発のため掲載できません)

「おっ!もうすぐ出口みたいだな、出口?こちら側からすると入口かぁ」

「うぉー!!ここかよ!ねぇちゃんが言ってたのは!」

そこには降り注ぐ太陽のもと、緑の大地が果てしなく広がり、男の足下を流れるせせらぎは、遠く大地の彼方まで、一筋の帯となって、キラキラと輝いていました。
(まあ、なんともロマンチックな表現ですこと)

「あったよ!本当にあったよ!」

男はしばらくの間桃のことも忘れ、その光景に見入っていました。

「あっ、いけねぇ!桃のことをすっかり忘れてた」

「うおっー!これがあの桃かよ!」

[返信]


16.兄ちゃんに話した内容、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 23:35
 投稿日/2006/12/21 12:14

「それにしても、よく覚えていたな、あのねえちゃん」

そうなんです、お婆さんはお爺さんから詳しく話を聞いていたのですが、それをそのまま
漁師のお兄ちゃんに話すわけにもいきません。だって自分が年寄りだってわかってしまいますからね。そこでお婆さんは次のように話して聞かせたのでした。

「サクラや〜おーい、サクラ」

 婆さんは自分の名前を、そう漁師に名乗ったらしい。(本名はウメ)

「なーに?おとっつあん」
「わしはもうじきあの世へ行かねばならん」
「いやー!そんなこと言わないで!」
「死ぬ前にひとつだけ、願いを聞いてくれんか」
「なーに?おとっつあん」
「わしが子供の頃、一度だけじゃったが、裏の川に大きな桃が浮かんでおってな」
「川に?」
「ああ、それを家に持って帰って、みんなで食べたんじゃ」
「ずる〜い!」
「サクラ、オマエの生まれる前じゃ、旨かった、たいそう美味じゃった、あんなおいしい桃はあのとき食べたきりじゃ」
「そんなに? わかった、おとっつあんはその桃を食べたいのね、で、どこになってるの?」
「それが・・・真贋の程はわからんが、村の言い伝えによれば、川を遡ってところに高い崖があってな、そこをつたわり落ちる滝の裏側に、洞穴があって・・」
「洞穴?」
「ああ、それがなんとも不思議な洞穴で、なんでも水草の生えているあたりを撫でると穴が広がって、ひと一人が入れるぐらいの大きさになるそうじゃ」
「あら、やだ」
「その穴をくぐり抜けると、緑の畑が一面に広がって・・」
「そこに桃がなっているのね!おとっつあんは行かなかったの?」
「村中の男どもで探しまわったんじゃが、結局だれ一人見つけることができんかった」
「撫で方が下手だっあのかしら?」
「なんでそこにこだわるんじゃー」
「大事なとこよ」
「あの桃を死ぬ前にもう一度だけ、せめて一口、食べたいよ〜」

とまあ、こんな具合ですかね、そのあと、ひと肌もふた肌も脱ぎあって・・・・・・・、あー疲れた。

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15.実録シンデレラ
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 23:09
 「ああたも好きですねぇ、永いつきあいだから言わせてもらいますけど、もういい加減お止めになったらいかがです?」
「うるさい!お前にはこの良さがわからんのだ!」
「ええ、わかりませんね、というか、ああたがそのお立場でなかったら、憲兵隊にしょっぴかれてますよ」
「失礼なやつだな、べつに盗んできたわけじゃないんだし」
「そりゃそうでしょうけど、そんなはた迷惑なものを、後生大事に抱いちゃって、それのどこが良いんです?」
「この甘酸っぱい、何とも言えない程よい酸味、大地の恵みを思わせる芳醇な香り・・・うーん、ブラボー!」
「なにがブラボーですか、私には鼻を突くただの悪臭にしか感じ・・臭っ!わざわざ箱から出さなくてもいいですからっ、はっ、早くしまって!殺す気か!あー怖、ああたが王子じゃなかったらぶっ飛ばすところですよ、まったく!」
「ふん、所詮おまえにはわからんのだよ、とにかくこの靴の持ち主を、草の根を分けてでも探し出すんだ、いいなっ!」
「ハイハイ、わかりましたよ、草の根を分ける必要もないと思いますけどね」
「つべこべ言わずに探し出せー!!」


「ということだ!皆の者、心してかかるように!」
「ははーっ! ・・・ところで隊長」
「なに?」
「夕べのパーティーでしょ、脱ぎ捨てられてたの?」
「らしいな」
「パーティーに来るのに、普通そんな小汚い靴を履いてなんか来ないでしょ」
「普通はな」
「ということは、普通じゃない女を捜しだせばいいんですね」
「そうだ、とにかく敵は強力だぞ、油断するな」
「わかりました!」
「見つ次第、城へしょっぴけ!じゃなかった、お連れしろ!」
「はっはーっ!」

かくして、足の臭い女性を探し出すという、前代未聞の捜索劇が始まりました。

ドンドン 「ゴメン!」

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14.漁師の兄ちゃん穴を見つける、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:31
 投稿日/2006/12/20 14:01

「これで八つめかぁ、滝の裏側に洞窟があるって言ってたけど、どこにも見当たらないぜ、ねえちゃん空事言ってたのかなぁ」

「オマエさんも洞窟を探してるのかい?」

「だっ、誰だ?」

「滝壺を見て見ろよ」
「滝壺?」
「わしじゃよ、手を振ってるのがわからんか」
「手か足かわからないけど、カメ!おまえさんかい?いましゃべったの?」
「しっぽも振ろうかぁ」
「いいよ、でもまた汚いカメだね、甲羅キズだらけじゃないか、磨いてやろうか」
「苔がとれるから余計なことせんでいい」
「髪の毛じゃないんだからっ、カメさんよ、滝の裏側に洞窟があるって、本当かい?」
「さあな、この前もへんな爺さんが岩を舐めたりさすったりして、血眼になって探してたようじゃが、結局見つからんかった」
「そうかい、ま、ダメでもともとだ、ねえちゃんから言われたとおりに、水草の茂っているあたりを撫で撫でしてみるか」

「ここだな、少しばかり出っ張っているところを・・・水草をかき分けて・・ナデナデ」

「おっ、おっと!地震かい?こんなところで、やめてくれよな」

「えっ!これって、もしかして光?ねえちゃんの言ってたのって、このことなのかなぁ、よーし、今度はもっと激しく撫で撫でしてみよう・・・ナデナデナデナデ」

「おっ、おっと!今度はすごい揺れだな、滝壺に転落しそうだったぜ! ほっ、本当だ!穴が開いてる!」
「おーい、カメさーん、穴が開いてるぜー」
「・・・・」
「びっくりして水の中へ潜っちゃったよ」

きっと爺さんは、撫で方が下手クソだったんでしょうねぇ、せっかくここまで来ながら、ザンネン!(年末出番あるのかなぁ)

ひと一人がやっと入れるくらいに開いた穴の向こう側から、一筋の光が射し込みました。
「こっ、これだよ、間違いない!!」

[返信]


13.あ・の・体力
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:30
 投稿日/2006/12/19 11:17

「あの体力?」気になりますねぇ、ちょいとその夜の様子をのぞき見してみますか。

「ねぇ、もうすぐ夜が明けるよ、すこしは寝ておかないと・・・」
「なーに、心配いらねぇ、一晩や二晩寝なくても平気さ」
「すごいわぁ、若い男ってこうだったかしら、でもこうも攻められると、こっちの身体がもたないわ」
「おや、おかしなこと言うねぇ、それにしてもねぇちゃん、若いのに熟練の味わいだぜ」
「まあ、そんな、恥ずかしい!!」

こっちの方が恥ずかしいよ、まったく!!

「ほらっ、明るくなってきたよ、もうすく行くんだろ?」
「そうだな、そろそろ行くとするか、その前に、ねぇちゃんを先にい・か・せ・て・・」


「大丈夫かねぇ、あーあー、ふらふらしてるよ、空だっていうのにさ」

「ちゃんと見つけてくるんだよー」
「あ〜〜、ま〜〜か〜〜せ〜〜と〜〜け〜ぇぇ〜」

かわいそに、漁師のお兄ちゃん、おーおきな籠を背負わされて山へと向かって行きました。

[返信]


12.色仕掛け、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:29
 投稿日/2006/12/18 11:55

「おいら漁師なんだ」
「川上の漁師さん?」
「鮎やウナギを獲ってるんだ」
「だったら、桃は?」
「桃?ねえちゃんどうかしちまったのかい、桃が川にあるわけないだろ」
「・・・・・」
「そんな顔で見るなよ、でも待てよ、小さい頃、そう言えばおれの親父が言ってたな」
「!!!!!」
「オイオイ、そんなに、かっ、顔を近づけなくても・・・よーく見ると、目尻に小じわがけっこうあるな、ねえちゃん、いくつだい?」
「それより、桃!」
「桃、その桃なんだが、なんでも三年に一度山から流れてくるとか」
「三年に一度?」
「桃栗三年って」
 ボコッ!
「その桃よ」
「ねんちゃん、目が血走ってるぜ、痛ぇなぁ、その桃がどうかしたのかい?」
「あたしね、その桃をどうしても手に入れなきゃいけないの!」
「でもよ、親父も山へ探しに行ったらしいんだが、結局手がかりさえ見つけ出せずに戻って来たぜ」
「それがさ、ちゃんとあるのよ、桃園が!」
「詳しく話してみな、 ほうほう、ふむふむ、その滝の裏側に?ほうほう、それでおまえさん、病気のおとっつあんが、死ぬ前に食べさせてやりたいと、偉いもんだぁ、よし!オレも男だ!一肌脱ごうじゃないか!」
 
どんなふうに婆さんが話をしたのか定かではありませんが、爺さんを自分のおとっつあんに仕立て、同情を買おうとしたのは、マチガイナイ!(前回の修正だよーん)

一肌もふた肌も脱ぎあって(なんのこっちゃ!)、すっかり男を手なずけた婆さんは、
男を山へと向かわせました。


「あ・の・体力があればきっと持ち帰ってくれるさ」

[返信]


11.婆さんおとこを物色する、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:28
 投稿日/2006/12/17 13:42

「確か今夜は、村祭りの日じゃったな」
「そういえば、麓の方から、太鼓や笛の音が風に乗って聞こえてますわね」
「そうかぁ、婆さんは祭を見に行ったのか、オマエさんが見かけたのが半時前なら、そろそろ村に着いている頃じゃろう」

半時というと、1時間の半分の30分かといえば、そうではありません。
昔は一日を十二支で表していましたので、一時が今の2時間、それでいくと半時は1時間ということになります。

「よっ、ねえちゃん、見かけない顔だな、どうだい、こっち来て一杯やらないかい?」
「そうねぇ・・・・・」
「おれの体、なにか付いてるかい?そんなにジロジロ見るなよ」
「遠慮するわ」
「冷たいこと言うなよ、今日は五穀豊穣を祝う村祭りだ、硬いこと言わないでいっしょにやろうぜ」
「兄さん色男だけど、体力なさそうだし」
「なんだい、いきなりかよ、なんなら境内の裏で試してみるかい?」
「やめとくわ」

なにを試すのか、よくわかりませんが、婆さんが言った体力が、山登りをしてあの桃を籠一杯に担いでくる体力、も、関係しているのは、マチガイ!(どうしてるの?最近)


「あんなやさ男じゃ、山に入るのは無理ね、ほかにいい男がきっといるハズだわ」

「おいおい、そこの短い着物のねぇちゃんよ、一発やらせろや」
「まぁ!なんてことを!」
「なーに、今日は祭で無礼講だ」

むかし、若い男女が知り合う機会は、現代のように多くはありませんでした。
神様に自然の恵みを感謝するということのほかに、村祭りには、若い男女の出会いを広げるという意味合いもあったのです。神社の境内のここかしこで・・・・・の光景が繰り広げられました。
夏祭りのときは、蚊と格闘しながらの・・・・。これ以上は書けない!

「そうねぇ、兄さん体力ありそうだわね」
「ああ、おれは川上の者だからよ、ここらの、へなちょこどもとはわけが違うぜ」
「川上の?」

[返信]


10.婆さんを探しに、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:27
 投稿日/2006/12/16 14:22

「婆さんや、あれれ、婆さんがいない、山へ芝刈りにでも行ったのかのう」

芝刈りはあんたの仕事でしょ!なんてツッコミはワッキーに置いておくとして、家出したことも知らず、爺さんは心配でお婆さんを探しに出かけました。

「婆さんやー、おーい、どこにいるんじゃー、もうすぐ日が暮れるぞー」

「あのう、もしや桃太郎さんちのお爺さんで?」
「ありゃ、こんなところに若い娘さんがいたとは、あんた誰じゃ」
「以前、桃さんに世話になった者で」
「あんたもやられたんか?」
「なんてことを!それが年寄りの言う言葉なの?」
「すまんすまん、あいつがあんたのような美人をやらんわけないと思うてな」
「そんなんじゃありません!」
「ならよかった、それならどうじゃ、今晩わしと・・・・・」
 ボコッ!(げんこつ音のつもり)
「ババアもババアなら、ジジイもジジイだよ、まったく!」
「痛いのう!あんた、若い娘にしてはやけに力があるのう、ところでおまえさん、うちの婆さんを知っとるんか?」
「半月ほどまえに、かれこれしかじか」
「ふむふむ、そんなことがあったのか、なにー!そんなことまで!」

読者のみなさんは前の巻を参考にしてね

「さっき、といっても半時ほどまえに、似たような娘さんが、この道を下って行くのを
見かけたもので、妙だなぁって」
「な〜に〜!や〜ま〜をく〜だ〜って〜村の〜ほう〜へ〜!!」
 ボコッ!
「普通に驚け!!」

[返信]


9.無題
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:26
 投稿日/2006/12/15 11:17

「桃園は見つかんかったが、その代わり、これを」
「これはスモモじゃないの!」
「すもももももももものうち」
「それが言いたかっただけでしょがっ!あたしが欲しいには、あの桃なの!」

スモモは「李」と書き、一般にはプルーンと呼ばれて親しまれています。桃よりもこちらの方が健康に良さそうな気もするのですが・・・

「ずっと山ん中を探し歩いてたのかい?」
「川の上流を一つ残らずさかのぼったんだが、どうしてもあの洞穴を見つけ出せんかった」
「滝は?」
「似たような滝は何本もあったんじゃが、だが、裏側に穴の開いている滝はなかったよ」
「穴が閉じたってことかしら?」
「まさか、人間のように開いたり、閉じたりするわけないだろ」
「水草の生えているあたりを、ナダナデしてみればよかったのよ」
「わしもそう考えて、岩の出っ張っている・・・・・・・・・」

良い子も読んでるかもしれないので、ここのところはこれくらいにして

「ところで婆さん、オマエずいぶん若返りして、まるで娘みたいじゃないか」
「あら、そうかしら」
「ひさしぶりに・・ど、ど、どうじゃ」
「スケベ根性は相変わらずだねぇ、オマエさん、ひと月いない間にずいぶん歳をとって、もしかして、桃を食べるまえに戻ったんじゃないだろうねぇ」
「なーに、髭が伸びているだけじゃ、こうやって服を脱げば・・・・・ありゃりゃ、なんということじゃ」

この場面は読者の想像にまかせるとして、
お婆さんは桃を食べまくったおかげで娘のように若返り、お爺さんは口にしなかったことで、もとの体に逆戻りしてしまいました。

「こんなジジイと一緒に暮らすかと思うとウンザリだよ、せっかく男前になってきたと思ったのにねぇ、いまなら村の若い衆だって相手にしてくれるよ、なーに、桃は若い男に見つけにやらせればいいんだ・・・・」

ピチピチのお婆さん、着物の裾を短く切って、お爺さんひとり残して家出しちゃいました。

[返信]


8.怒り爆発、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:25
 投稿日/2006/12/14 12:48

 理論上、ヒトの寿命は120歳とも150歳とも言われています。日本人の平均寿命は女が86歳で世界一、男も79です。計算方法は知りませんけど、「平均」でこうなのですから、わたしたちの周りには、この上行くお年寄りがウジョウジョいる(失礼!)ということになります。(我が家にも実は94歳の祖母がおりまして)

「帰ってこないねぇ、まさか独り占めしようなんて魂胆じゃないんだろうねぇ」

よく言うよ、自分が独り占めしているくせにさ!

「かれこれひと月になるよ、村の若い娘とねんごろになってたりしてなけりゃいいんだけど、まあ、それならそれでかまわないんだけど、あの桃だけは手に入れないとね」

「い、い、いま帰った〜」
「どなた?」
「わ、わしじゃよ〜、ここを開けてくれんか〜」
「どこのご老人か知らないけど、物乞いならよそへ行っておくれ、うちも老夫婦の二人暮らしで、他人様に分け与える余裕なんてないんだからっ!」
「た、たにんじゃね〜よ、そのろ〜ふ〜るの片割れじゃ〜」
「何言ってるのかわからないよ、ちょっと待っておくれ、いま開けるから」

「あんた誰?髭も髪も伸び放題で、わかった!仙人の仮装だね、今晩の村祭りに出るの?」
「・・・・・お、お、おまえさ〜ん、どこの娘さんじゃ〜?」
「あらっ、仙人の割には気の利いたお世辞言うじゃない」
「せんにんじゃなぇ〜よ〜、ここに、胸にスルメをぶら下げた婆さんがいるハズじゃ〜、呼んでくれんかの〜」
「スルメ?」
「さいきん、モチのように、ふくらんで〜、モモちゃんみたいに〜」
「も、も、もしかして、おまえさんかい?」
「????も、も、もしかして、あんただれじゃ〜?」
「も、も、桃はどうしたのさ!」
「ま、ま、まさ〜か〜 ば、ば、ばあさ〜ん」
「いい加減にしろ!普通にしゃべりなよ、そのくらいの体力はあるんだろ」
「す、すまん、見つからんかった」
「も、も、もう一度言ってごらん!」

[返信]


7.よせばいいのに、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:25
 投稿日/2006/12/13 11:23

「滝の裏側に、人一人がやっと入れる洞穴がありましてね」
「そ、そうそう!そこ、わしも行ったんだ!」
「突き抜けると、あたり一面に桃園が広がっていましてね」
「そ、そうそう!わしも何往復もして、桃をカゴに入れて持ち帰ったんだ」
「と、話すのを何度もこの耳で聞きましたよ」
「カメの耳ってどこあるの?」
「ここんとこ」
「それ、指差してるつもりだろうけど、わかんないや」
「・・・・・」
「すまん、そう怒りなさんな、顔出して話してくれよ」
「話はこれくらいで」
「待った!! と言うことは、わし以外にも、その桃園に行ったことのある人間がいたってことだよな?」
「桃源郷って言ってましたけどね」
「トーゲンキョー? で、場所はどこなんだい?」
「さあ」
「さあって、何度もそんな連中に会ったんだろ?」
「ええ、何度もね」
「ははーん、隠してるな、カメのくせして、取引しようっていうんだな!なにが欲しい?甲羅を磨くたわしか?」
「いりませんよ!」
「うーん、こしゃくなカメめ、教えないと甲羅に落書きするぞ!」
「ああたも、みんなと同じだ」
「同じ?本当だ、よーく見ると落書きがいっぱい書いてある、え・な・り???あいつも本当はジジイだったのかよ!」
「バカなこと言ってないで、悪いことは言わないから、お家へお帰りなさい、誰一人として、探し当てた人なんていないんだから」
「なーに、何日かかろうが、何年かかろうが、見つけだしてやる!桃さえ食えば若返るんだからな、邪魔したな、じゃあな!」

「行っちゃったよ、オレは流れてきた桃を一かじりさえすれば長生き出来るから関係ないけどね、さて、次は何年先になることやら」

[返信]


6.希望がみえた?、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:24
 投稿日/2006/12/12 12:59

 日本は南北に山脈が伸びておりますが、山に降った雨が太平洋に流れ込むか、日本海に流れ込むかによって、そこを太平洋側、日本海側と区分します。
源流、つまり川の出発点を見つけだすのは案外難しく、人が山に分け入って、コツコツと調査するほかありません。日本の分水嶺すべてが明らかになったのは2006年、つまり今年なんですねぇ。

 さて、簡単に見つかるだろうと山へ分け入ったお爺さんでしたが、すっかり途方にくれてしまいました。

「とりあえず腹は膨れたし、腰を据えて探すとするか」

滝壺に落ちるや、この爺さん、すごい形相で魚を追い回し、手で獲るわ、足に挟むわ、口にくわえるわで、人間追い込まれると強いですなぁ。

「もしもし、そこのカメさんよ」
「いまどきそんな呼び方しないでしょ!」
「ちょっとちょっと、そこのカメさんよ」
「どこで覚えたんです?振りまでつけて、わたしですか?わたしなんか食べても不味いですよ」
「なーに心配するな、もう腹いっぱいだ」
「あれだけ食えばねぇ」
「おまえさん甲羅に苔が生えているところをみると、ずいぶん長生きしてんだろ?」
「かれこれ7,80年ばかり」
「オレといい勝負じゃないか」
「えっ?ああた、そんなに年寄りなの?」
「ああ、でもな、山奥から採ってきた桃を食べたら、急に元気になってきてよ」
「もしや!あの桃を!」
「カメさん!おまえさん、桃のあるとこ知ってるのかい!」

[返信]


5.爺さん危機一髪、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:23
 投稿日/2006/12/11 11:32

「おかしいな、確かこのあたりに目印があるはずなんだが・・・」

桃源郷目指して川を上って行ったお爺さんでしたが、先日の大雨で目印の石積みは跡形もなく流されておりました。
「あ、あそこにあったぞ、ややっ、石積みが動いてる!」
「ああたね、石が動くわけないでしょ!」
「なんだ、カメか、紛らわしいことするな!」
「勝手言わないでよ」

「なあに、この川の源流だってことはわかっているんだ、そのうち見つかるだろう」

そう思い直すと、いくつもに枝分かれしている川の支流を片っ端から登って行きました。

「なんてこったい!今日でまる3日経つというのに、手がかりさえも見つからないぞ、このまま引き返すと、あの婆さんがなんて言うか・・・」

桃をお腹一杯食べるつもりで、わずかしか持って来なかった食料は底をつき、かといって「見つからなかった」と言ったときの婆さんの顔を思い浮かべると、すぐに引き返す勇気も湧かず

「あと一日、もう一日だけ・・」

やめときゃいいのに、フラフラになりながらも川を更にのぼっていきました。
「ドッブーン!!」

あらら、足を滑らせ、爺さん滝壺に落ちちゃいましたよ、大丈夫かなぁ?

[返信]


4.桃の効用、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:22
 投稿日/2006/12/09 14:55

「はいはい、なんぞご用ですか?」
「こちら、桃太郎さんのご実家では?」
「そうですけど・・・お嬢さんはどちらさんで?」
「わたくし、たぬ、いえ、たびの者ですけど、以前、かくかくしかじかで、桃太郎さんには大変世話になりまして」
「あら、そうでしたか、あの子は昔っからあたしに似て優しい子でねぇ」
「この近くに用事がございまして、ついでと言ってはなんですが、ぜひ御礼をと」
「まあ、それはわざわざありがとう」
「桃太郎さんの話では、お爺さんとお婆さんが二人で暮らしておいでと、うかがっておりましたが・・・お母様がおいでとは存じませんでしたわ」
「お母様?」
「で、いらっしゃいますのでしょ?」
「ホホホ・・・はい!」

うそつけ!なにが、ホホホだい!!
桃の効用?でしょうか、シワは伸び、心なしか肌につやが出てきたような・・・

「お母様だってさ、嬉しいこと言ってくれたじゃないか、あの娘さん、きっとあの桃のおかげだよ、こうなったら、もっと食べて若返らなくちゃ」

お爺さんが山へ桃を採りに行って留守なのをいいことに、お婆さんは隠しておいた桃を朝昼晩と、せっせと食べまくりました。

[返信]


3.現役復帰、の巻
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:21
 投稿日/2006/12/06 11:11

「お爺さん、最近白髪が濃くなったんじゃありません?」
「そうかい?そういうお婆さんも、このオッパイに張りが出てきたような・・」
「あらイヤですよー、お爺さんったらっ、夜が明けたばかりじゃありませんか」
「暗くなるまで待てない〜」

 まったく、朝っぱらから、なにやってんでしょうかねぇ。
あの桃を、山から持ち帰ってからというもの、それまで手で起こしても立たなかった爺さんと(なんのこっちゃ!)スルメをぶら下げていた婆さんが現役に復帰したんですから、なんとも不思議です。

「もう無くなったのか?」
「あなたがもっと、持ち帰ってこなかったからですよ」
「背負ってくるのはあれが限度だったんだよ」
「でもあなた、次は大丈夫よね、あ・れ・だ・け・の体力があるんですもの」
「そうだな、倍ぐらいは大丈夫かもな」
「頼もしいわぁ」
「そうかい?なんなら出かける前に・・・」
「バカねぇ、道順は覚えてるんでしょうねぇ」
「ああ、ちゃんと目印の石を積み上げてきた」
「気をつけて行っておいで、途中で娘を襲うんじゃないよ!」
「なんて言いぐさだよ、おまえこそ村の男を引っ張り込むんじゃないぞ!」

それが爺さんと婆さんの会話かい!なんて野暮なツッコミは脇に置いておくとして

「行っちゃったよ、男って単純だね、あんな量を二人で食べきれるわけないじゃないか、考えてもわかりそうなもんだよ、これで4,5日は帰って来ないね、その間にこの桃を独り占めして・・・」


「ごめんくださいまし」

[返信]


2.あの日のこと
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:20
 投稿日/2006/12/04 19:10

 あれ以来、そうです、あれ以来なのです。あの桃を食べて以来、おじいさんの切り干し大根はとれたて大根に変身し、あのゴツゴツとしていたお婆さんの夏みかんは白桃、とまではいかないまでも、もぎたての甘夏みかんのようになったのです。
あの日、なにがあったのでしょう。それは・・・
 


「まあ!そんな山奥に、桃畑が広がっているなんて」
「ああワシも最初は驚いたさ」
「およしなさいって言いましたのに」
「流れて来たということは、上流に桃の木があるということだからな」
「五日も留守にして、山イヌにでも襲われたんじゃないかと、心配で昼寝もできなかったのよ」
「せんでいい!」
「おかげで夜はぐっすり眠れたけど」
「川を遡って行くとな、3日目に、まっすぐな高い崖にブチ当たったんだ」
「あなたいつも壁にブチ当たってますからね」
「よーく見ると、水の流れ落ちるところに、水草に覆われているが、ひと一人がくぐれるような小さな洞穴があったんだ」
「ほらっ!穴って感じで?」
「・・・・・」
「それで?」
「かすかな光が洩れているので、頭から身を滑り込ませたんだ」
「まあイヤだ、お爺さんったら、穴とみればすぐに入りたがって」
「反復前進すること半時」
「ほふく前進でしょ!でも半時もよくがんばったわね」
「本当は5,6分」
「あなたの場合それが限度ですものね、それで?」
「目の前にピンク色の花園が一面に広がったんだ」
「ウソおっしゃい!桃の実がなってたんでしょ?花が咲くのは春じゃない」
「春はそうだろうなぁ、って」
「そうだったの、でも心配したのよ、帰ってきたらどうしよう、って」
「それ表現違う」

[返信]


1.もうひとつの桃太郎
投稿者/小丸...........投稿日/2006/12/25 22:17
 投稿日/2006/12/02 10:27

「イヤですよ〜おじいさ〜ん、この歳でいまさら子供なんて」
「オマエの夏みかんも最近つやが出てきたのぉ、ほーぃ、まんざらでもないぞ」
「あら、うれしいこと言ってくれるねぇ、おじいさんの切干大根だって・・・・」

なんのことだか作者もわからないのでありますが、最近このような会話が、夜毎夫婦間で交わされているようなのです。
桃太郎がいなくなったあとの老夫婦に、果たしてなにが起こったのか?
作者の勝手な推理でつづる、「もうひとつの桃太郎」 はじまりはじまりー パチパチ




「おじいさん、桃ちゃんは鬼にやられてしまったのかねぇ」
「あいつは男だからなぁ」
「そっちじゃなくて、殺されたかもっ、て言ってるの!」
「ガキの時分から鬼のような性格だったからなぁ、それはないと思うけど」
「それだといいんですけど・・心配だわ」
「反対に、やっちまったかも知れんなぁ」
「まぁ!なんてことを!鬼の嫁なんて、あたし嫌ですからね!」
「そっちじゃなくて、鬼を殺したかも、って言ってるんだ」
「あらっ、いやだわ、アタシったら」
「まあ、桃太郎のことはさておき、やるぞ今晩も!」
「あれ以来、おじいさん、べ、べつじんのよ、よう・・あああ」

[返信]


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